外出時などに歩行をサポートしてくれるシニアカー。電動カートやハンドル型電動車いすとも呼ばれるシニアカーは、主に高齢者の乗り物として利用が広がってきています。
しかし、シニアカーの導入を検討する際に、
「思っていたより値段が高くてびっくりした!」
「長く使う自信がない」
「操作など不安で運転できないのではないか」
など多くの不安があり導入に踏み切れない人も多いのが実情です。
そんな不安がある方にぜひ試してもらいたいことが、シニアカーをレンタルする方法です。意外と知られていませんが、各メーカーや販売代理店などでは、購入するプラン以外にも、レンタルプランなどが用意されています。
本記事では、シニアカーのレンタルについて、そのメリットや活用方法、購入とレンタルの費用の比較などを紹介していますので、これからシニアカーを導入したい方はぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】
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目次
1.シニアカーをレンタルする5つのメリットとは?
その場で試しに乗ってみるような短時間の試乗とは違い、目的や用途によって、数時間から数ヶ月間と期間を決めてシニアカーを借りることができるのがレンタルです。
それではシニアカーをレンタルするメリットにはどういったものが挙げられるのか見ていきましょう。
初期費用がかからない
国内メーカーであれば購入費用はおよそ数十万。その他、メーカー保証や任意の保険などを含めると初期費用はさらに高額になってしまいます。
短期間のレンタルであれば、購入にかかる高い出費を抑えることができ、レンタル期間のみの費用で利用できます。
短期間のみ利用したい、購入にあたってもう少しシニアカーを乗って操作感を確かめたいなど、そのような場合はレンタルでの利用をおススメします。
必要な期間のみ利用できる
シニアカーのレンタカーは数日の短期レンタルから、数ヶ月間の長期レンタルまでできるプランがあります。
例えば、持病で足が悪いため、今まで避けていた孫との家族旅行の数日間だけシニアカーをレンタルしたり、思わぬ事故で骨折をした時、歩けるようになるまでの数カ月間をレンタルするなど、様々なシーンで利用できます。
しかしながら、病気や事故で歩行が困難な期間が長く続くと、購入するよりレンタル代金の方が高くなる可能性もあるので注意が必要です。
ランニングコストがかからない
シニアカーを購入する場合は、保険の加入やメンテナンスなどのランニングコストがかかってしまいます。
その点、レンタルの場合は、部品の交換などのメンテナンスはレンタル業者が行ってくれたり、もしもの事故の場合でも、対人対物補償および車両保険などの総合補償がセットになっており、それらが全てレンタル代に含まれている場合がほとんどです。
介護保険サービスで安く利用できる
様々な条件がありますが、介護保険制度を利用して、シニアカーをレンタルすることも可能です。
介護保険制度を利用した場合のシニアカーレンタル費用は、通常のレンタル費用の1割負担(所得に応じて2割〜3割負担)で利用することが可能になり、経済的な負担を減らすことができます。
条件は、要介護2〜5の認定を受けている方で、介護保険制度を利用してシニアカーレンタルが可能です。また、要支援1、2または要介護1の方でも、日常生活に支障をきたす場合などは介護保険制度を利用してシニアカーのレンタルが認められる場合があるので、近くの地域包括センターや福祉課などに相談してみましょう。
購入前にしっかりと試運転ができる
シニアカーを購入する前には、試乗をするのが一般的ですが、その試乗した短時間で購入の決断をするのは非常に難しいのではないのでしょうか。
レンタルであれば、数日間から数ヶ月間と期間を選ぶことができるので、ある程度の長い時間でシニアカーを試乗して、購入するかどうかを決めることができます。
シニアカーの購入は高い買い物となります。試乗のみで不安の場合は、まずはレンタルで数日間借りてから購入を考えても良いかもしれません。
2.シニアカーのレンタルはどのような場面で活用できるのか
シニアカーは高齢者に向けて作られた乗り物です。加齢により足腰が弱くなって歩くのが困難になった時に、歩行を補助してくれるのがシニアカーの一般的な役割といえるでしょう。
日々の生活の中で継続的に使用する場合を除き、どのようなシーンでシニアカーをレンタルするのが有用なのでしょうか。
ここでは主な活用方法を4つご紹介します。
家族や友達との旅行のときに
旅行に行きたいけど、坂道や長時間の歩行がつらくて、参加に踏み切れないということはございませんか。
旅行日数にあわせてシニアカーをレンタルすれば、家族や友達との旅行でも迷惑をかけることはありません。シニアカーも様々なタイプが有り、折りたたんでコンパクトに持ち歩くことができるシニアカーもあります。
また、孫などを連れた家族旅行などにも有効です。先述したとおり、高齢者に向けた乗り物ですが、例えば、旅行に疲れた子供や親世代も乗ることが可能です。シニアカーを家族でシェアしながら楽しむことができるのです。
怪我や病気をしたときに
怪我や病気などで一時的に歩くことができなくなった場合にもシニアカーをレンタルすることが可能です。
怪我をして歩けないときは家に閉じこもりがちになります。それがきっかけとなり、引きこもりになり、認知症を発症したりすることがあります。
怪我が治るまでシニアカーをレンタルすることで、外にでかけられるようになり、日光を浴びたり外の空気を吸ったり、または近くの公園に行ってリハビリを行ったりすることができます。
フレイル予防として
フレイルとは、加齢により心身の機能が低下した状態のことを言います。厚生労働省の広報誌では「健康な状態と要介護状態の中間」と説明しています。病気ではないのですが、要介護の一歩前と言われています。
外出もせず、ずっと家にいる生活が続くと、気分が沈みがちになったり、筋力が低下して思うように体が動かせなくなってしまいます。定期的に外に出て、空気を吸い、日光を浴びることで、体内のホルモンバランスが整い、精神的な健康も維持されるのです。
シニアカーを活用すれば、外出も億劫ではなくなります。外に出る日だけのレンタルも良いのですが、フレイル予防としては、継続的に行うことが必要ですので、シニアカーの購入を考えても良いかもしれません。
さらに読む:高齢者の歩行不安はシニアカーで解消!
普段使いとして
上述したようにイベント時や怪我・病気などをしたときに一時的にシニアカーをレンタルする利用方法もありますが、もちろん、普段の生活でも利用は可能です。
例えば、コンビニやスーパーで買い物をしたいとか、役所などに行かなければならないなど、ちょっとした時の使用にもシニアカーをレンタルすることが可能です。
ご家族やご近所の方に送迎をお願いしたり、タクシーを利用するなどをしなくても、シニアカーで自由に活動することができるのです。
ただ、利用頻度が高い場合は、レンタルより購入したほうが安く済む場合があるので、しっかりと考えたうえで、シニアカーのレンタルを検討したほうがよいでしょう。
3.シニアカーのレンタル費用の相場は?
シニアカーをレンタルするうえで、一番気になる費用について解説していきます。
数日間から数ヶ月間とレンタル期間が選べるメーカーが多いです。もちろん日数によってレンタル費用は変わってきます。
レンタルの場合 | 購入の場合 |
---|---|
月額2万円前後〜 | 新車30〜40万円前後 |
介護保険適用なら、月額2千~6千円程度 | 中古10万円前後 |
また、高齢者の自立した生活を支援するために、一部の自治体ではシニアカーのレンタルや購入に対して、その費用の一部に対して補助金を出しています。
例えば、運転免許を自主返納した満65歳以上の方に上限10万円まで購入費を補助してくれたり、レンタル費用も月額1000円を限度に補助してくれる自治体もあります。
各自治体によって補助の有無や条件・金額が変わってきます。詳しくは、お近くの役所などに問い合わせてみると良いでしょう。
さらに読む:シニアカーの値段を徹底比較!レンタルと購入、どちらがお得!?
4.レンタル可能なおすすめシニアカー
最後に、シニアカーのレンタルを考えている方に、レンタルができる主要なメーカーをご紹介します。
メーカーや車種などによって、レンタル料金も違ってきますし、乗り心地やデザインなども違ってきます。
検討中の方はぜひ参考にしてください。
NOAA
最小最軽量クラスの折りたたみ電動カート「JOYcart(ジョイカート)」を製造・販売するNOAA。
利用期間が3日間からレンタルできるため、ちょっとしたイベント時に便利です。
さらに読む:持ち運びも収納もラクラク!折りたためるシニアカーで新しい旅の形を
会社名 | 株式会社NOAA https://noaa.jp/rental | |||||
車種 | ジョイカート< MOBILE-Xplus > ※利用料金は税込み金額です。 | |||||
レンタル料金 ※利用料金は税込み金額です。 | 3日間 12,600円 | 7日間 16,600円 | 10日間 20,000円 | 15日間 25,000円 | 20日間 30,000円 | 30日間 35,000円 |
主な特徴 | 車に積み込みが可能で、持ち運びも簡単な折りたたみ式 本体重量20kg など |
suzuki
乗用車メーカーであるスズキが、開発・設計をし静岡の工場で生産している「セニアカー」。
レンタル料金は各販売店によって違うため、お近くの販売店に問い合わせると良いでしょう。
会社名 | スズキ株式会社 https://www.suzuki.co.jp/welfare/ |
車種 | ET4D など |
レンタル料金 | 販売店によって異なる。 |
主な特徴 | 日本製障害物検知サポート など |
WHILL
従来のシニアカーにはないような、シンプルで洗練されたデザインが特徴的なWHILL(ウィル)のシニアカー。レンタルはモデルによって、短期レンタルと1ヶ月からの長期レンタル利用にわかれます。
会社名 | WHILL株式会社 https://whill.inc/jp/whill-rental | ||||||
車種 | Model F(折りたたみ式)、Model C2 | ||||||
レンタル料金 | Model F ※利用料金は税込み金額です。 | ||||||
4日間 33,000円 | 5日間 35,750円 | 7日間 41,800円 | 10日間 50,600円 | 14日間 61,050円 | 20日間 77,000円 | 30日間 93,500円 | |
Model C2¥14,800/月(非課税) | |||||||
主な特徴 | スタイリッシュなボディデザイン 独自の安心サポート など |
TOYOTA
2023年にトヨタから発売されたシニアカーである電動三輪車「C+walk s (シーウォークエス)」。
レンタル料金は、事業所や販売店によって異なりますが、1日からレンタルできたり、年単位でリースも可能です。
会社名 | トヨタ自動車株式会社 https://toyota.jp/cwalks/ | |
車種 | C+walk s (シーウォークエス) | |
レンタル料金 | 1ヶ月:〜25,000円前後(月額) ※貸与事業所により異なります。 ※最低利用期間1ヶ月 ※介護保険レンタル用の車両仕様となります。 | 1日:〜3,000円前後 ※店舗により異なります。 ※最低利用期間1日〜 |
主な特徴 | スリムなフォルム センサーによる障害物検知機能 年間契約もあり など |
※この他にも送料などがかかります。詳しくは各自お問い合わせくださいませ。
※記載料金は介護保険適用なしの場合となります。
※上記情報は2024年7月現在のものです。
まとめ.数日間から長期間まで、様々な用途に使えるシニアカーのレンタル
高齢者の外出の機会を増やし、社会活動の参加などを通して、QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)の向上を手助けするシニアカー。
ただ、購入金額が高くて手が出せなかった人も多かったはずです。そんな時はシニアカーのレンタルという選択肢もあります。
レンタルであれば、初期費用を抑えることができ、旅行などのイベント時だけ利用するなど、様々な目的や場面によって、自由度高く利用可能です。
シニアカーを購入してから、自分には合わなかった、利用頻度が少なかった、など後悔する前に必ずレンタルをして試してみるのがおススメです。
現在は様々なシニアカーのメーカーがあります。まずはレンタルで自分にあったシニアカーを見つけてみてはいかがでしょうか。
バドインターナショナルでもシニアカー「ジョイカート< MOBILE-Xplus >(株式会社NOAA )」を取り扱っています。短期間のレンタルも試乗も可能ですので、ご検討中の方は、まずはお問い合わせくださいませ。