
今日のビジネス環境において、企業は自社の特色や価値をより効果的に伝える手段を模索しています。その手段の一つとして、動画を採用する企業も増えています。中でも「インフォグラフィック動画」は、情報をわかりやすく、かつ正確に伝えるという点において、非常に優れたものだと言えるでしょう。
現代は望むと望まざるとにかかわらず、スマホを開けば怒涛のように情報が入ってくる時代です。この情報過多の環境に慣れてしまった現代人は、目に入った瞬間に興味を引かれるかどうか、わかりやすいかどうかで情報の取捨選択をしています。
そこで、まずどうすれば動画を見てもらえるか、そして内容を理解してもらえるのかを考えることが、非常に重要になってきているのです。情報を視覚的に伝えるインフォグラフィック動画なら、タイパを求めるユーザーにも見てもらいやすくなります。
「他の動画と何が違うの?」「本当に効果があるの?」「普通の動画ではダメなの?」こんな疑問を持たれる方も多いかもしれません。今回はこのインフォグラフィック動画の特性や活用事例、そして導入時の注意点について詳しく解説いたします。
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目次
1.インフォグラフィック動画とは?

インフォグラフィック動画の特徴
「インフォグラフィック動画」とは、「情報(インフォメーション)」と「図解(グラフィック)」を組み合わせ、わかりやすく表現した動画のことです。
複雑なデータや概念を、グラフや表、イラスト、アイコン、アニメーションといったグラフィックを駆使して表現するのが特徴で、短時間で内容を理解しやすくなっています。
現代は情報過多社会と言われています。テキストや画像だけの情報をいくら発信しても、なかなか視聴者の目には留まりません。
インフォグラフィック動画の場合、動きや色彩、グラフなどを効果的に組み合わせることで視聴者の注意を引きつけ、記憶に残る情報の発信を可能にします。
インフォグラフィックの種類
動画の中で使われるインフォグラフィック、つまり「情報」と「図解」には、以下のような要素が含まれます。
ピクトグラム
シンプルなイラストやアイコンで情報を伝える一種の視覚記号です。トイレや非常口などのマークといえば、わかりやすいのではないでしょうか。言葉に依存することなく、その意味や概念を正確に伝えられます。
表・グラフ
データを整理して伝えるのに最適なインフォグラフィックです。アンケート結果や売上データなど、数字を比較したり推移を示したりするのに使われます。
チャート・ダイアグラム
データや情報をより視覚的に表現したものです。アイコンチャートやバブルチャート、株価チャート、フローチャートやフローダイアグラム、組織図など、データの推移や流れ、関連性をわかりやすく示すのに向いています。
地図
自社へのアクセス情報や観光案内、支社や営業所の紹介、地域ごとに取得したデータなどを伝えたい時に、よく使われるインフォグラフィックです
モーショングラフィックとの違い
インフォグラフィックによく似たものに、「モーショングラフィック」と呼ばれる表現方法があります。
インフォグラフィックは必ずしも動きを伴わないのに対し、モーショングラフィックは動画に動的な要素(モーション)を取り入れて、ロゴやイラスト、文字などの素材を積極的に動かし、アニメーションにする表現手法です。
どちらも「内容を視聴者にわかりやすく伝える」という点では共通していますが、インフォグラフィックのほうが静的で、文字や数値といった「情報やデータの正確な伝達」により重きを置いていると言えるでしょう。
さらに読む:モーショングラフィックスを徹底解説!
2.インフォグラフィック動画の特性

インフォグラフィック動画の特性として、「視覚的訴求力」「情報の簡潔化」「記憶に残りやすい」の3つが挙げられます。ここではその一つひとつの特性を紐解いていきましょう。
視覚的な訴求力がある
インフォグラフィック動画の最大の特徴は、色彩やデザインなど視覚的な効果を駆使して、情報を魅力的に伝えられる点にあります。
例えば売上データをグラフで示す際、単に数字の羅列ではなく、色鮮やかなグラフやシンボル、アイコンなどを用いることで、視聴者の目を引きつけられます。
あるいは企業の歴史を説明する際、年表をただ表示するのではなく、年代ごとに異なる色やイラストを使って画面に変化をつければ、視聴者を飽きさせずに情報を伝えることが可能です。
このように視覚的なデザインの力を駆使し、難しい情報をわかりやすく、そして親しみやすく表現できることが、インフォグラフィック動画の大きな強みなのです。
情報の簡潔化に優れている
大量のデータや複雑な情報を整理して、要点を明確に伝えることも、インフォグラフィック動画が得意とするところです。
例えば製品の製造工程を説明する場合、文章だけでいくら細かく説明しても、視聴者の頭に入らないかもしれません。フローチャートやイラストなどを用いて、視覚的にその流れを示すことで、工程を簡潔に伝えられます。
また、アンケート結果を分析する際、膨大なデータを円グラフや棒グラフにまとめれば、どの項目が一番多かったのか、どのような傾向があるのかを一目で理解できるようになります。
情報を視覚的に整理し、簡潔に表現することで視聴者の理解を助けるのが、インフォグラフィック動画が持つ特色だと言えるでしょう。
視聴者の記憶に残りやすい
視覚と聴覚を同時に刺激する動画という表現方法は、静止画や文字だけの媒体に比べ、圧倒的に多くの情報を届けられるだけでなく、その情報の定着率を高める効果が期待できます。
例えば歴史上の出来事を説明する際、単に年号と内容を淡々と読み上げるだけでは視聴者が退屈してしまい、記憶に残らないことも多いはず。インフォグラフィック動画なら、例えば時系列をチャートで説明したり、人物の相関図を入れたりして、視覚的に視聴者の記憶に残る表現が可能です。
あるいは商品の使い方を説明する動画なら、写真やイラストに音声による解説を組み合わせることで、視聴者が使い方をイメージする助けになります。
視覚的な情報発信が強みのインフォグラフィック動画ですが、映像や音楽、効果音などの音声情報を加えればより多角的に情報が伝えられ、視聴者の印象に残りやすい動画に仕上がります。
最初から最後まで全てグラフィックで埋め尽くされた動画では、視聴者が飽きてしまうことも。写真やアニメーションを部分的に挿入するなど、メリハリのある動画構成を考えましょう。
3.インフォグラフィック動画のメリット

このように視聴者の目を引き、記憶に残りやすいインフォグラフィック動画ですが、企業にとっては具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
企業の魅力を効果的にアピールできる
インフォグラフィック動画の大きなメリットは、企業の強みや特徴を視覚的に表現することで、視聴者にわかりやすく伝えられる点にあります。
例えば複雑な数値データや専門的な情報も、グラフや図を用いれば直感的に理解しやすくなります。これにより、企業の魅力や独自性を効果的にアピールできます。
複雑な情報を短時間で伝えられる
文字情報だけでなく、グラフや表、図やイラストを使うインフォグラフィック動画なら、複雑な製品やサービスの情報も短時間でわかりやすく伝えられます。さらに視覚と聴覚に同時に訴えられるため、視聴者の理解を促進し、効果的な情報伝達が可能です。
WebサイトやSNSでのエンゲージメントを高める
インフォグラフィック動画には、視覚的な魅力を共有しやすいという特徴があります。そのため、うまく視聴者の反応が良い動画が作れれば、WebサイトやSNSでのエンゲージメントを高める効果が期待できます。
特にSNSとは相性が良く、プロモーションの手段として非常に有効です。視聴者に「わかりやすい」と思ってもらえた場合、「誰かに教えたい」「この動画を見せて説明したい」と、情報が一気に拡散する可能性もあります。
4.インフォグラフィック動画の活用事例

これまで、インフォグラフィック動画についての説明をしてきましたが、実際にはどのような場面で活用されているのでしょうか。
インフォグラフィック動画は、さまざまな場面で活用できる動画です。特に以下に挙げるジャンルであれば、その有効性を存分に発揮してくれるはずです。
企業PR動画としての活用
企業の歴史や理念、製品・サービスの特徴などを視覚的に伝え、ブランドイメージの向上や認知度拡大に寄与します。
例えば自社の取り組みや社会貢献活動をインフォグラフィック動画で紹介すれば、詳しい活動内容や実績をわかりやすく伝えられるため、視聴者からのイメージアップに繋がるでしょう。
採用動画としての活用
インフォグラフィック動画は、求職者に向けて企業の魅力や働く環境を伝える手段としても有効です。社員の声やキャリアパス、福利厚生などを視覚的に表現することで、数多くの企業を目にする求職者の印象にも残りやすくなり、応募意欲を高める効果が期待できます。
さらに読む:求職者が求める採用動画とは?
IR活動での活用
投資家や株主に向けて、業績報告や経営戦略をわかりやすく伝える目的でも活用されています。数字やグラフを視覚的に、正確に提示できるのが、インフォグラフィック動画の大きな利点です。このメリットを活かすことで、企業の現状や将来性を明確に示せます。
5.インフォグラフィック動画導入時の注意点

このように、活用の場が多いインフォグラフィック動画ですが、制作時に注意すべき点についてもいくつか解説しておきましょう。
ここで紹介する注意点は、インフォグラフィック動画に限らず、動画全般に通じる基本的な内容ですので、動画を導入する際の参考にしてみてください。
まず、動画を作る上で一番重要なのは、自社目線で考えず、視聴者目線で考えることです。「独りよがりの内容になり結局見てもらえなかった」「動画を作ったはいいが散漫な印象になってしまった」といった結果にならないよう注意しましょう。
情報を詰め込み過ぎない
動画に情報を詰め込み過ぎると、視聴者が混乱してしまいます。伝えたいメッセージを絞り、簡潔にまとめるよう心がけましょう。
特にインフォグラフィック動画の場合は、画面上にグラフや図表の他、つい数字や文字を多めに表示してしまいがちです。しかしこれではせっかくのインフォグラフィックがそのメリットを発揮できず、動画が台無しになってしまいます。
写真やイラストを挿入したり、動きや色、音声をつけて重要な箇所を強調したり、映像やアニメーションを挿入したりと、メリハリをつける工夫が必要です。
過度なデザインは避ける
デザインは確かに重要ですが、あくまでも情報をわかりやすく伝えるための手段だという点を忘れないようにしましょう。
デザインに凝りすぎると、伝えたいメッセージがその中に埋もれてしまう可能性があります。動画は制作者がそのスキルを披露するためのものではなく、視聴者にわかりやすく内容を伝えるために作るものです。
過度なデザインは、情報過多に繋がります。シンプルでわかりやすい表現を心がけることが重要です。
著作権に注意する
インフォグラフィック動画の中で使用する情報や図表などが、自社のオリジナルではなく、他メディアからのものであった場合、無断で転載しないよう注意することが必要です。転載したい場合は必ずその情報元に確認し、クレジットを入れた上で使用します。
これはインフォグラフィック動画だけに限りません。動画の根幹をなす情報はもちろん、動画内で使用する素材(音源・画像・動画など)の著作権には、常に注意を払うようにしましょう。
視聴者の理解度に応じた内容にする
動画を作る際は、ターゲットとなる視聴者の知識レベルや関心事を考慮し、専門用語の使用や情報量を調整することが必要です。
例えば採用動画をインフォグラフィックで制作する場合を考えてみましょう。この場合ターゲットとなるのは、業務内容を熟知していない求職者です。まだ会社への興味すら、ほとんどないかもしれません。
自社をアピールするために、専門的な話をしたくなる気持ちはわかります。しかしこの場合は、専門用語の羅列や業務に関する知識を前提とした説明は避けるべきです。視聴者に理解してもらえないどころか、興味を失って離脱される可能性が高くなります。
正確なデータの提示は必要ですが、一般の視聴者にも伝わるよう、わかりやすい言葉や比喩を用いたほうが効果的な場合もあるのです。

モバイルフレンドリーな設計
今や当たり前になったモバイル端末での動画視聴。PCではなく、スマートフォンやタブレットでの視聴が増えている現代においては、モバイルで快適に視聴できる動画設計が求められます。
特にデータを表示するインフォグラフィック動画の場合は、文字の大きさやボタンの配置など、ユーザーエクスペリエンスを考慮したデザインにすることが重要です。
まとめ:インフォグラフィック動画の活用で、複雑な情報も理解しやすく!
今回はインフォグラフィック動画の特性からメリット、導入にあたっての注意点などを解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか
この情報過多の時代、ユーザーが求める情報をすぐに取得・理解できるようにすることは非常に重要です。
インフォグラフィック動画なら、複雑でわかりにくい情報も図解やグラフで表現できるため、伝達スピードが早くなり、視聴者の理解も深まりやすくなります。
特に企業PRや採用活動において、動画は情報を効果的に伝えられる強力なツールです。適切に活用することで、企業の魅力を最大限に伝えられるようになるからです。
ぜひインフォグラフィック動画を取り入れて、貴社のコミュニケーション戦略を強化してみてはいかがでしょうか。
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