観光立国の日本として外国人観光客が増加している現在。政府主導のもと官民が協力して積極的に呼び込みを行っており、これからはさらに各自治体や商業施設、学校などインバウンド対策が必須となってきます。訪日インバウンド対策のひとつとして動画を活用したプロモーションは、言語に左右されることなく、観光地や自社の商品・サービスなどの魅力を伝えることができる有効なツールです。
この記事では、どのように動画でPRしたらいいのか悩んでいる担当者へ、観光・地方自治体、企業・学校、商品・サービス別にインバウンド動画の事例を紹介いたします。さらに、インバウンド動画を制作するためのポイントも解説いいたします。ぜひご参考にしてください。
目次
訪日インバウンド動画事例8選!
観光・地方自治体、企業・学校、商品・サービスのカテゴリ別に、表現内容や切り口をうまくPRしている動画を集めました。最後には外国人観光客が外国人視点で日本を撮影した動画の事例もあわせてご覧いただけます。
【観光・地方自治体のプロモーション動画】
インバウンド向け動画で外国人誘客を目的とした観光プロモーションを行っている地方自治体や観光業界は数多くあります。様々な手法で観光スポットや歴史などの魅力を紹介しているインバウンド動画をピックアップしました。
草津温泉観光協会
『Kusatsu Onsen, JAPAN – Summer – 4K (Ultra HD) / 草津温泉』
群馬県の草津温泉のPR動画。日本は四季折々の風景や体験が楽しめるため、春夏秋冬とシーズンごとに分けて動画を作成しています。本作品は観光スポットや体験施設、歴史、伝統工芸、食など草津温泉の魅力をひとつの作品にまとめた好例です。海外からのコメントも多く、しっかりと草津温泉の魅力が伝わっています。
Diamond Route Japan
『Diamond Route Japan 2018 : History – Feel the Real Samurai Spirit』
youtubeでの再生回数が660万回を超えているこちらのインバウンド動画。福島県、栃木県、茨城県一帯のエリアを結ぶルートであるダイヤモンド・ルートの動画です。この地域と深く関係しているサムライをテーマとして映画のような作品となっております。
「素のチカラ、魚沼。」 pure uonuma
『魚沼市観光PV ~冬~ Uonuma-City winter ver.』
外国人を誘客できるような魅力がなくて困っている、何が強みなのかわからない、と課題を抱えている地方自治体は多いです。現地の人や日本人では気付かない魅力はまだまだあります。外国人の視点で地域の魅力を逆に気付かせてくれる秀逸の作品です。
【企業や学校の紹介動画】
海外の旅行客にむけて、自社の商品やサービスを利用してもらい企業や、留学生の誘致を積極的に行っている大学などの教育機関でもインバウンド事業の一環としてプロモーション動画を取り入れております。
ANA
『IS JAPAN COOL? KYOTO』
外国人向けのメディア「IS JAPAN COOL?」を運営しているANA。日本の魅力を、職人・和食・祭り・代表的な観光地などのそれぞれの特集ページを展開しています。各ページにはそれぞれのカテゴリーの内容にそったインバウンド向けの動画を公開しています。
明治大学
『”Tokyo DOKIDOKI Campus LIFE” FULL (Meiji University)
明治大学 WAKUWAKU JAPAN』
留学生や受験生にむけたインバウンド向けの学校紹介動画。学内の紹介だけではなく、周辺の観光スポットや文化を紹介することで、実際に留学生が東京でどのような学園生活がおくることができるのかをイメージしやすくなっています。
【商品やサービスの紹介動画】
海外の旅行客に向けて利用を促すためにインバウンド動画は効果的です。有形の商品であれば視覚的な映像で訴求し、無形のサービスなどは使い方やメリットをアニメーションなどで見せることで分かりやすくなります。
JR東海
『JR-Central about Shinkansen』
東海旅客鉄道株式会社の東海道新幹線の紹介動画。新幹線の速達性や安全性などをメリットをアニメーションを使いながら分かりやすく説明するとともに、外国人のモデルを使い外国人に乗車イメージを喚起させています。
【外国人が撮影した日本の動画】
日本人が日本人視点で制作した動画は外国人に響かないことがありますが、これは外国人の視点にたって日本の魅力を伝えていないことが要因です。紹介する動画は外国人が撮影した外国人から見た日本です。どんなことに興味があるのか、どんな感性なのかを知ることができるので参考にしてみてください。
In Japan – 2015
有名な観光スポットはもちろんのこと、日本の何気ない日常の光景や行動などを数多く切り取った作品です。我々日本人ではありきたりな光景や行動でも、外国人から見たら物珍しと驚いたり感動したりします。そんな要素が散りばめられた作品です。
Our Japan
2週間かけて東京、京都、兵庫、広島を旅行したときに撮影した動画をまとめたものです。各地の文化や歴史、食、地元で生活している人々を織り交ぜながら魅力をうまく伝えています。日本人が撮影したらおそらく全く違った視点の動画になっているでしょう。
インバウンド動画制作の3つのポイント!
国内向けに制作した動画を、テロップやナレーションを入れて海外向けに転用することも可能です。しかし、インバウンド対策用の動画は、国によって感性や習慣が違うため、それぞれ目的やターゲットをしっかり決めたうえで、興味を引くインバウンド動画を制作していくことが望ましいです。
目的やターゲットを決める
国内向け動画と同じく、まずはインバウンド向け動画を制作する目的を考えることが重要です。目的なく動画を制作してしまうと、ずれたターゲットに視聴されたり、あるいはまったく見られない動画となってしまう恐れがあります。
ターゲット旅行者を明確にしたうえで(誰に)、動画コンテンツの内容を考え(何を)、伝え方を決めていきます(どのように)。訪日外国人が「なぜ日本に来たいのか」「日本で何がしたいのか」という外国人の目線で考えてみましょう。
オリジナル性を出す
地域や商品・サービスを紹介するのであれば、オリジナリティのある情報でインパクトを与えてみましょう。観光スポットであれば、ユニークな建物や地域の成り立ち、留学生を誘致する学校などであれば、学内で行われる日本的なイベントや周辺地域の紹介などを伝えるのも良いかもしれません。
また、伝え方の工夫も重要です。例えば質の高いアニメや漫画は日本のコンテンツとして海外でも知られていますが、アニメや漫画を使用して地域や商品の特徴を伝えていくことで他のインバウンド動画と差別化ができるでしょう。
SNSを意識する
せっかく作ったインバウンド動画をターゲットに届けるためには、SNSを活用するのは非常に効果的です。TwitterやFacebook、Instagram、YouTubeなどのSNSを集客動線として必ず設計しましょう。特にYouTubeは動画コンテンツと相性が良いので、チャンネル登録をして動画をアップロードすることをおすすめします。 そうすることで、コンテンツ次第では広範囲に拡散される可能性があり、様々な国の人たちにアピールできるかもしれません。
まとめ:世界に向けてインバウンド動画をアピールしよう
今回は、様々な企業のインバウンド動画の活用方法や動画・映像制作のポイントを紹介いたしました。 日本人が外国人に商品・サービスの魅力を伝えることは非常に大変ですが、動画なら言語の壁をこえ、海外にアピールできるのでぜひインバウンド動画の導入を検討してみてはいかがでしょうか。