現在、ドローンは観光PR動画やスポーツイベントなどの映像撮影、あるいはドローンレースなど、様々な分野で活躍しています。
身近な存在となりつつあるドローンですが、それでは上で挙げた以外にどんなシーンで活用されているか?と聞かれた時、皆さまは何を思い浮かべるでしょうか。
ドローンには大まかに分けて、空撮用・産業用・競技用などの種類があり、近年では小型化や飛行精度の向上などにより、幅広い分野で活用されるようになってきています。
まずはこちらの動画をご覧ください。
こちらの動画は経産省が作成した、「ドローンや空飛ぶ車が実現した日本の未来」を描いた動画です。このような世界は近い将来、実際に訪れるのでしょうか。
この記事ではビジネスシーンはもちろん、趣味の分野などにおけるドローンの活用事例も交えながら、ドローンを利用した今後の展望などもご紹介いたします。
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目次
1.拡大する国内外のドローン市場規模
人手不足が深刻になりつつある中、日本国内ではドローンの活用が急激に進んできました。ますます活用範囲が広がるドローンですが、日本、そして世界におけるドローン市場は、これからどのような方向に進んでいくのでしょうか。
ここでは国内での利用状況や分野別の市場規模、そして世界のドローンビジネスの市場について、詳しく見ていきましょう。
国内のドローンビジネス市場規模の推移と今後の予測
上の図は、日本国内のドローンビジネスの市場規模をグラフで表したものです。このデータによると、2022年度の市場規模は3086億円であったと推測されており、2028年度には1兆円を目前に見据えた、9340億円に到達する見込みです。
特に最近では、ドローンを活用したサービス市場の拡大が顕著であり、2028年度には、その市場規模は5615億円になると予測されています。この数字には、2022年度と比較した場合、約3.5倍の伸びが見込まれています。
世界におけるドローン市場規模の推移と今後の予測
次に、世界におけるドローンの市場規模の推移を見てみましょう。グラフを見るとわかる通り、こちらも日本国内同様に、今後はドローンサービスおよび産業用ドローン市場の拡大が予測されています。
分野別のドローン市場の規模について
ドローンの活用事例を分野別で見てみると、どの分野においても、今後はドローンの活躍が増えることが予測されています。人手不足が顕著な業界、特に農業での農薬散布や、インフラ・建設現場での点検作業、そして物流などの分野で、これからの市場の伸びが見込まれます。
2.ドローンの分野別活用事例
2022年12月に改正航空法が施行され、ドローンの「有人地帯での目視外飛行」、いわゆる「レベル4」が解禁されました。これにより人がいる市街地や住宅街でも、操縦者が目視することなく、ドローンを飛ばせるようになったのです。
これが何を意味するかというと、遠く離れた場所までドローンで荷物を輸送したり、市街地にあるインフラ設備の点検をしたりと、これまではできなかった方法でドローンを活用できるようになります。
レベル4の解禁により、今後はより広い分野での活躍が期待できるドローンですが、具体的にはどのような活用方法があるのでしょうか。
観光での活用事例
多くの自治体でドローンを活用する事例が増えており、特に観光分野においては、その導入が顕著です。昨今のインバウンド需要の高まりから、よりインパクトのある、映像美を追求した観光PR動画が求められているためです。
ドローンを活用すれば、これまで見たこともなかった上空からの映像や、人間が近づけない場所の撮影が実現できるようになります。その自治体の持つ観光資源の魅力を最大限伝えられるだけでなく、他との差別化も図れるのです。
最近ではホテルや旅館などの宿泊施設でも、ドローンをPRに活用する事例が増えてきています。
ドローンでの動画制作事例はこちらから
スポーツイベントでの活用事例
近年、ドローンが活躍するシーンがさらに広がっているのが、スポーツやフェスが行われるイベント会場です。
サッカーや野球などのスポーツシーンでよく行われているのは、練習の際に、上空からその様子を撮影することです。フォーメーションや選手の動きを上空から確認することで、チームの戦略や分析などに役立ちます。
もちろん、試合中継での活用も進んでいます。観客にとっても新たな視点から観戦できるため、より魅力ある映像でスポーツを楽しむことができるでしょう。
農業での活用事例
農業の現場は今、高齢化や後継者の不在などで人手不足が深刻になっており、「農薬や肥料散布」「土壌調査」「生育状況のモニタリング」でのドローンの活用が増えてきています。コストや労力の削減を図れるのが、農業分野でのドローン導入の大きなメリットです。
インフラなどの保守点検での活用事例
近年普及が進んでいるのが、インフラなどの点検で活用されるドローンです。橋梁や鉄塔、ソーラーパネル、ダムやトンネル、プラント設備などの作業員が直接確認できない箇所も、ドローンがあれば簡単に撮影できるため、効率アップや人件費削減に繋がります。
建築・土木現場での活用事例
建設業の現場でも人手不足は深刻化しており、生産性向上への取り組みが政府主導で行われています。その一翼を担っているのがドローンです。同じ位置・角度で定期的にデータを取得できるので、定点観測の管理などに活用されています。
測量現場での活用事例
建築業界の測量分野でも、ドローン活用が進んでいます。各種センサーやカメラを搭載したドローンで撮影し、そのデータを元に2D・3Dの図面を制作。複雑な地形の測量も手間いらずです。少人数で作業できるため、低コストでスピーディーな作業が行なえます。
物流業界での活用事例
EC利用の増加で物流業界の負担は年々増え続け、再配達や配送ドライバーの長時間労働などの問題も深刻です。海外では既にドローン配送が実現している都市もあり、国内でも実証実験が開始されました。空を飛ぶ配達ドローンの姿が見られる日も近いかもしれません。
セキュリティ・警備での活用事例
セキュリティの分野でも、ドローンの活用が増えています。海外では事件現場の証拠撮影を行ったり、撮影しながらのパトロールを行ったりして、犯罪の抑止力として活用されることも。実際にメキシコのエンセナーダ市では、たった1機のドローンの導入により、全体の犯罪率が10%も減少したそうです。
災害・事故現場での活用事例
自然災害が多い日本では、ドローンは災害時になくてはならない、頼もしい存在です。空撮で迅速に状況を把握できるため、一刻を争う現場での活躍が期待されます。人命救助や緊急物資の運搬、避難指示、生存者の確認など、災害現場でドローンが担える役割は多いのです。
報道現場での活用事例
事故や災害などの現場には危険な場所も多く、記者やカメラマンが立ち入るのが困難な状況も少なくありません。ドローンがあれば上空から現場の状況を撮影し、スピーディーに視聴者に状況を伝えられます。
医療分野での活用事例
交通が不便だったり遠隔地にいたり、あるいは身体が不自由だったりして、通院や薬局での薬の受取りが困難なケースもあるでしょう。処方薬やAED、血液のドローンによる搬送の実現に向けて、現在国内でも実証実験が進んでおり、徐々に環境が整備されてきています。
広告業界での活用事例
ドローンを広告媒体として活用する方法もあります。例えばドローンに服を着せたり、チラシやポスターを貼り付けたりして飛ばすことで、広告塔としての使い方が可能です。東京オリンピック開会式に登場したドローンショーも、一種の広告だと言えるでしょう。
ドローンレースでの活用事例
「ドローンレース」とは、機体の速さや操縦の正確さを競うスポーツです。撮影や運搬用ではなく、競技用の専用ドローンを使用して行われます。海外では大きなレースも開催されていて、非常に人気がありますが、日本でも年々人気は高まってきています。
3.ドローン活用の先にある未来とは?
ここまで、様々なドローンの活用事例を見てきました。しかし、現在のところは様々な分野で実証実験が行われている段階で、実用化にはまだ課題があるのが現状です。
ここでは、今後ドローンがどのように活用されていくのか、ドローンを活用した未来がどのような世界になるのかを見ていきましょう。
AIを搭載し、進化するドローン
ここ数年、AIの性能は著しく向上し、会話型AIや生成型AIの登場で、さらに身近な存在となってきました。ドローンにもAIによる自律飛行や画像解析といった機能が組み込まれるようになり、特に上述した農業・医療業界などでは、AIを搭載したドローン活用の取り組みが進んでいます。
今後はAIの技術もさらに進んでいくと予想されます。それに伴い、AI機能を搭載したドローンの活用法もまた拡大していくことでしょう。
「空飛ぶ車(エアモビリティ)」が実現する?
SF映画には、エアカー、つまり「空飛ぶ車」が当たり前のように登場します。「21世紀になればエアカーが飛び回る未来が来る」と、半世紀前の子供たちは、夢見ていたものでした。
ドローン技術の進化のおかげで、かつてSFの世界で空想していた「空飛ぶ車」も、いよいよ現実味を帯びてきたと言えるでしょう。
技術的な面から言えば、ドローンといわゆる「空飛ぶ車」は、全く別物だと定義されています。しかし、ドローンの進化の延長線上で、「空飛ぶ車」の開発が行われているのは疑いようがありません。
その一環として、現在ドローンタクシーの開発が進んでいます。これはその名の通り、人を乗せて目的地まで運ぶことを目的とした大型のドローンです。国内外で既に実験が繰り返されており、試験運転まで成功させている企業もあります。
これまで映画や小説、アニメの世界の話だと思っていた未来。モノだけでなく、ヒトもドローンで空を移動する未来が、実はすぐそこまで近づいているのかもしれません。
ドローン特区を作ってさらなる進化を目指す
現在、日本でも国家戦略として、新しい技術を使ってビジネスを加速させる動きが立ち上がってきています。そのひとつに「ドローン特区」と呼ばれるコンセプトがあります。
この「特区」とは、特定の地域内限定で電波法や航空法の規制緩和を行い、ドローンが制限を受けずに飛び回れる環境を構築するものです。
ドローン特区では防災や減災、農業、物流、市街での飛行など、ドローンの新技術を駆使した様々な実験が積極的に行われています。
4.観光や企業プロモーションでのドローンの活用事例
このように、様々なシーンでの活躍が期待されるドローンですが、今のところは観光やイベント、企業のプロモーションなどで使われるケースが多いのが実状です。ここでは、当社が実際にドローンを活用した事例をいくつかご紹介いたします。
動画を見ていただければ、地上撮影のみの場合とは違った、圧倒的なインパクトが目に飛び込んでくるのを実感していただけるはずです。企業のプロモーション動画でのドローン活用は、非常に有効だと言えるでしょう。
住吉大社 結婚式場プロモーション動画
VILLA SAISON FUJI プロモーション動画
旅行系メディア「トリドリ」 風景動画 鳥取砂丘
ジョンソンタウン プロモーション動画
まとめ:ドローンの将来性は無限大!多様な活用事例は今後も増え続ける
今日では日本国内に限らず、海外でもドローン技術を駆使した活用事例が、業界を問わず広がりを見せています。
わが国では今後、少子高齢化による人材不足がより深刻になってくるでしょう。様々な分野でドローンの活用が進めば、人材不足の解消や効率アップ、コストダウンに繋がることが期待されています。
ドローンにはたくさんの可能性があり、技術の進歩に伴って、今後もバラエティに富んだ分野での活躍が期待されます。技術的な面や法整備上で、多くの課題が残っているのも事実ですが、新たな分野での活用方法やドローンを使ったサービスが、どんどん誕生してくるはずです。
今の段階では誰も想定・想像もしていない使い方が、将来は当たり前になるかもしれません。ドローンの持つポテンシャルをさらに引き出し、有効に活用していくことが、これからの時代、大きな意味を持つことになるでしょう。
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