「アニメーション」と聞くと、「なんだ、アニメのことか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。かつてアニメを「テレビマンガ」と呼んでいた世代からすると、「子供の見るモノ」というイメージがまだぬぐいきれないのでしょう。
しかし今日では「アニメーション」という言葉がもともと持つ、「生命のない物体や絵を、生命があるかのように動かすこと」の意味で使われる場面も多くなりました。例えば粘土で作った人形を動かしたり、文字や図形を動かしたりといった動画も、立派なアニメーションなのです。
アニメーション動画のメリットは、実写に比べコストやリソースの負担が少なくて済み、よりクリエイティブな表現や演出が可能な点にあると思います。こういったアニメーション動画の特色を活かし、企業広告や情報発信の手段として活用するのが、現在では当たり前になってきました。
とは言え、実際に制作会社に依頼しようとしたとき、気になるのはやはり「どのくらいの費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。
今回の記事ではアニメーション動画の種類別に、一般的な料金相場をご案内します。実写動画との比較や、外注する際に注意すべきポイントにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.どんなアニメーション動画をつくりたい?制作料金の相場一覧
ジャンル | 制作費用 相場 | ジャンル | 制作費用 相場 |
---|---|---|---|
ホワイトボード アニメーション | 40万円~100万円 | スクリーンキャスト | 10万円~40万円 |
キャラクター アニメーション | 50万円~150万円 (+キャラクター企画費) | アイソメトリック アニメーション | 100万円~200万円 |
モーション グラフィックス | 20万円~200万円 | 3Dアニメーション | 150万円~300万円以上 |
タイポグラフィ アニメーション | 10万円~40万円 | ストップモーション アニメーション | 20万円~50万円 |
ピクトグラム アニメーション | 30万円~50万円 | スライド アニメーション | 10万円~70万円 |
インフォグラフィック アニメーション | 30万円~80万円 | ショート アニメーション | 30万円~100万円 |
アニメーション動画の制作を外注した場合の価格帯は、1分あたり数十万円から数百万円と幅広く、一概に「この程度」とは言えないのが実状です。
なぜなら動画制作にかかる費用は、アニメーションの種類や尺の長さ、複雑さ、求めるクオリティ、納期、制作会社の経験などに大きく左右されるからです。
まず動画制作の目的を明確にし、予算を設定することから始めましょう。例えば企業の紹介をしたいのか、商品やサービスの宣伝をしたいのか、理念やメッセージを伝えたいのかなど、「動画で発信したい内容」をはっきりさせます。
商品の宣伝が目的なら、ビジュアルや名称を覚えてほしいのか、使い方を説明したいのかなど、さらに細かく詰めていく。そうすることで、どんなアニメーションがその目的にふさわしいのかが見えてくるはずです。
どんなアニメーション動画が目的に合っているのかよくわからない場合は、プロの制作会社に相談してみましょう。アニメーション動画制作会社に依頼する場合の料金相場は以下の通りです。
2.種類別で見る!アニメーション動画の料金相場
ホワイトボードアニメーション
文字やイラストを、ホワイトボードのように白い背景の画面上に手書きしながら進行するアニメーション動画です。教育ビデオやビジネスプレゼンテーション、説明動画に使用されることが多く、コンセプトやアイデアを視覚的に伝えるのに向いています。
制作費用 相場:40万円~100万円
※尺やアニメーションの複雑さに応じて変動します。
キャラクターアニメーション
キャラクター(人物や動物、想像上の生物など)を生き生きと動かして、アニメーションにする動画です。親しみやすく、感情移入しやすいのが特徴です。企業やサービスの認知度アップや、ブランディングを図るのに向いています。
制作費用 相場:50万円~150万円(+キャラクター企画費)
※キャラクター自体のデザイン・モデリングの有無や、アニメーションの複雑さによって大きく変わってきます。
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モーショングラフィックス
静止画やテキストをアニメーションにして動かす動画です。情報を視覚的に引き立て、説明力を高めるために使用される手法で、プロモーションビデオや広告、オンラインコンテンツなどでよく見られます。
制作費用 相場:20万円~200万円
※簡単なアニメーションから複雑なデザインまで対応できるのが魅力ですが、素材の有無や尺によって料金には大きな差が出ます。
タイポグラフィアニメーション
テキストや文字をメインの要素として動かし、サイズや色、フォントなどで視覚的なインパクトを持たせるアニメーション動画です。情報やメッセージを効果的に伝えるために使われます。イベントの告知やプレゼンテーション、無形商材の紹介など、さまざまなコンテンツで使用されます。
制作費用 相場:10万円~40万円
※尺によっても変わりますが、複雑な文字装飾や演出を加えると、編集コストがさらに上がります。
ピクトグラムアニメーション
「ピクトグラム」を使って、情報やコンセプトを表現するアニメーション動画です。ピクトグラムとは、見ただけでその意味を理解できるようデザインされた「視覚言語」の一種です。シンプルなビジュアルを用いて、複雑なアイデアやプロセスを説明するのに向いており、広告やプレゼンテーションのほか、教育の場でもよく使われています。
制作費用 相場:30万円~50万円
※通常のアニメーションに比べると手間もそれほどかからないため、比較的安価に作成できるのがメリットです。
インフォグラフィックアニメーション
情報(インフォ)を視覚的(グラフィック)に表現するアニメーション動画です。グラフやチャート、イラスト、図形、テキストなどを組み合わせて、統計データやトレンドなどの情報を伝えます。データや数値の可視化が求められる教育的なコンテンツや報告書、プレゼンテーション、採用動画などで頻繁に使用される手法です。
制作費用 相場:30万円~80万円
※尺やアニメーションの複雑さに応じて変動します。
スクリーンキャスト
スクリーンキャストは、コンピュータ画面上での操作を録画し、音声とともに説明する動画です。ソフトウェアのデモンストレーションやオンラインチュートリアル、プロダクトの説明に用いられ、ユーザーに実際の使用方法を示すのに役立ちます。
制作費用 相場:10万円~40万円
※尺はもちろん、編集の複雑さに応じて異なりますが、比較的リーズナブルな価格での制作が可能です。
アイソメトリックアニメーション
2.5Dとも呼ばれ、2Dに平行投影を使用して、平面的でありながら3Dのような立体感を持たせるアニメーションスタイルです。ビジネスプレゼンテーションやゲームデザインなどで広く用いられ、洗練された視覚効果を提供します。
制作費用 相場:100万円~200万円
※尺の長さや内容に応じて料金は変動します。
3Dアニメーション
三次元のキャラクターやオブジェクトを使用して、リアルな視覚効果を生み出すアニメーションスタイルです。撮影が難しい場所やサービスの映像化ができる反面、複雑で高度な技術を必要とするため、他のアニメーション動画に比べコストがかかってしまいます。
制作費用 相場:150万円~300万円以上
※演出の複雑さや尺の長さなどにより、料金の幅が広くなっています。
ストップモーションアニメーション
紙やクレイ、布などで作ったオブジェクトやキャラクターを、フレームごとに動かしながら撮影し、連続再生することで動きをつけるアニメーション動画です。いわば実写のアニメーションであり、温かみのある親しみやすい仕上がりが特徴です。啓発や手順の説明を目的とする動画に向いています。
制作費用 相場:20万円~50万円
※尺やアニメーションの複雑さに応じて変動します。
スライドアニメーション
静止画像をスライドショー形式で表示し、そこに適した演出や効果を加えることによって作るアニメーション動画です。静止画を使用するため比較的簡単に制作でき、コストも比較的安価に抑えられます。プレゼンテーションやウェブサイトのスライダー、ビデオクリップなどで使用されることが多い手法です。
制作費用 相場:10万円~70万円
※編集作業も難しくないため制作期間が短くて済み、コストもあまりかかりません。
ショートアニメーション
通常は1分程度の短いアニメーションのことを言い、ストーリーやメッセージをコンパクトに伝えられるのが特徴です。YouTubeやソーシャルメディアなどで共有しやすいというメリットがあります。
制作費用 相場:30万円~100万円
※尺の長さかかわらず、複雑な演出をすると時間やリソースのコストがかかります。
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3.費用別で見る!アニメーション動画の制作事例
アニメーション動画の種類や相場については、前項までの説明でなんとなくおわかりいただけたかと思います。では、実際にどのくらいの費用をかければ、どんなアニメーション動画が作れるのでしょうか。ここでは具体的な費用別に、実際の制作事例をご覧いただきます。
〜10万円の制作事例
スライドアニメーションのようなアニメーション動画。キャラクターの動きや演出も少なくすることで、費用を抑えることができます。
※キャラクター作成費は除く
10万円〜30万円の制作事例
モーショングラフィックスのアニメーション動画。イラストと文字を用いてサービスを訴求した動画で、比較的動きを抑えて作成されています。
※イラスト作成費は除く
30万円〜50万円の制作事例
比較的イラストのカット数も多く動きも多いアニメーション動画となります。アニメーション動画では、イラストなどのカット数次第で編集にかかる費用やイラストを書き起こすための費用が変わってきます。
50万円~の制作事例
3Dと2Dを組み合わせて作成されたアニメーション動画。3DCGを活用したアニメーション動画は、尺が短くても制作費用が高くなる場合があります。
4.ここが違う!実写動画とアニメーション動画にかかるコスト
動画の制作費用は、実写・アニメーションを問わず、「どんな目的のものを、どのくらいの尺で、どの程度の作り込み具合で制作するのか」で変わってきます。そのため、一概に料金の比較をしてもあまり意味がありません。
例えば実写動画の場合、俳優を使って映画のような映像を撮るのと、自社で撮影した動画を素材にして作るのでは、制作費に大きな差が出ます。同様にアニメーション動画の場合も、シンプルなスライドアニメーションと高度な技術を駆使した3Dアニメーションでは、かかる費用も大きく変わってくるのです。
とは言え、一般的には実写動画よりもアニメーション動画の方が、クオリティの高い動画を安く制作できるのも事実です。
例えばアニメーション動画の場合、実写には欠かせないロケハン・撮影費や撮影機材費といったコストはかかりません。さらに撮影後に撮り直しが発生しても、改めて現地に出かけたり登場人物を用意したりといった手間や費用も不要です。
アニメーションにも実写にも、それぞれにメリット・デメリットがありますので、まずは制作しようとする動画の目的と予算を明確にし、それに合わせて表現方法を決定することをおススメします。
5.アニメーション動画の制作会社を選ぶポイントとは?
アニメーション動画の制作会社を選ぶ際に着目すべきなのは、その会社の得意分野は何か、スキルがどの程度かという点です。同じ動画制作を謳っていても、実は実写動画ばかり作っていて、アニメーション制作の経験に乏しい会社もあるからです。
これまでにどのようなアニメーション動画を制作してきたのか、使いたいアニメーションの種類に熟達しているかなどが、依頼する会社を選ぶ際の大きなポイントになるでしょう。
また、実写とは異なり、事前に完成品のイメージがしにくいのが、アニメーション動画の特徴です。要望通りの動画の実現は、どれだけ「イメージ通りのタッチで描いてもらえるか」にかかっています。
依頼者の意図を正確に把握し、かたちにできるスキルを備えたプロのイラストレーターを抱えている会社なら、目的に合った動画を仕上げてくれるはずです。
さらに動画制作だけでなく、それに付随するサービスも提供しているかどうかのチェックも忘れないようにしましょう。例えば動画広告の運用代行サービスや多言語対応などを提供している制作会社もありますので、見積もりの際に確認することをおススメします。
まとめ:アニメーション動画の特徴と料金の相場を理解して、目的に合った動画を制作しよう
ここまでアニメーション動画の特徴と、制作料金の相場について見てきました。費用面はもちろんですが、手法ごとにどんな内容が向いているか、どんな視聴者の心に刺さる動画が作れるかが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
アニメーション動画の大きなメリットは、実写に比べリーズナブルな価格での制作が可能な点にあります。よりビジュアルに訴えるストーリーテリングを、自由度と柔軟性の高い、クリエイティブな手法で展開できるのも魅力です。
動画の中でコンセプトや情報を効果的に伝え、記憶に残るメッセージを発信するためには、目的に合った手法を選ぶことが大切です。あらかじめ相場を把握しておくことで、選択肢もおのずと決まって来るのではないでしょうか。
バドインターナショナルには専任のイラストレーターが在籍しており、企業様のご要望を実現する、質の高いアニメーション動画をお作りいたします。シンプルなスクリーンキャストから複雑な3Dアニメーションまで、幅広い動画制作が可能です。
費用や製作期間に関しても柔軟に対応いたしますので、まずは一度お気軽にご相談ください。