「モーショングラフィックス」とは、本来なら動かない文字や画像、イラスト、記号、アイコンなどを動かすアニメーション動画のことを言います。とは言え、具体的にどんなものなのか「いまいちピンと来ない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はこのモーショングラフィックスは、テレビCMやWEB広告のほか、ミュージックビデオやデジタルサイネージなど、様々な場面で使われている技法です。
「モーショングラフィックスを使った動画って、具体的にどんな感じ?」
「他のアニメーション動画に比べて、例えばどんなメリットがあるの?」
今回は皆さまのそんな疑問にもお答えしつつ、モーショングラフィックスの基本からそのメリット、コスト面まで、わかりやすくご説明します。ぜひこの記事を参考に、自社のプロモーション動画や動画広告などに活用していただければ幸いです。
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目次
1.モーショングラフィックスの正体
「百聞は一見に如かず」という言葉もあります。文章でご説明する前に、まずは一度、こちらの動画をご覧ください。
これがいわゆる「モーショングラフィックス」と呼ばれる動画です。ご覧いただけばわかる通り、文字や記号などの動きを持たないオブジェクトに動きをつけ、視覚的に表現するのが、モーショングラフィックスと呼ばれるものの正体です。
さらにBGMやSEを組み合わせることで、視覚と聴覚の両方から訴えることが可能になり、静止画よりも訴求効果の高い映像作品が完成します。
モーショングラフィックスは「アニメーション動画」の一種です。「あらゆるオブジェクトを動かす」という意味では、アニメーション動画表現の中でも基本の技法だと言えるでしょう。
2.モーショングラフィックス導入のメリット
実際の動画を見れば、モーショングラフィックスがどんなものなのか、何となく理解はしていただけたかと思います。しかし、しっかりとした目的や目標を持たずに動画を作っても、大きな効果は期待できません。
「見た目がカッコいいから」「流行っているらしいから」と闇雲に導入せず、モーショングラフィックスの特徴をしっかりと理解した上で、実際の制作へと進むことをおススメします。
ここではモーショングラフィックスの活用で得られる、3つのメリットについてご紹介しましょう。
メリット1:視覚的に強い印象を残せる
例えば文字を使った静止画でも、フォントの色や大きさ、装飾などで強調することは可能です。ここにモーショングラフィックスが加われば、さらに動きをつけられるため、ユーザーの目に留まりやすくなります。
人間の脳は、もともと動くものに目が行くようにできています。そのため、動いている素材が印象的であればあるほど、見る人の注意を引き付けられるのです。
モーショングラフィックスの特徴は、静止画よりも「視覚効果が高い」という点にあります。ユーザーの記憶に残りやすい、インパクトのある動画を作れるのが、モーショングラフィックスの大きなメリットだと言えるでしょう。
メリット2:表現の自由度が高く、情報も伝わりやすい
一口にモーショングラフィックスと言っても、その表現方法には様々な手法があります。
【モーフィング】
一つの物体を別の物体に変化させる技術
【キネティックタイポグラフィ】
フォントに捻りや歪みなどを加える技法
【アニメーションロゴ】
ロゴやアイコンにモーションを加えたもの
伝えたい情報に合わせ、適切な表現方法を使うことで、情報もより伝えやすくなります。
メリット3.制作コストを抑えられる
リアルでの撮影を伴う実写動画や、専門的な技術が必要な3Dアニメーション動画に比べると、モーショングラフィックスは比較的費用をかけずに制作することが可能です。
市販の制作ソフトを利用すれば個人でも手軽に作れるため、フリーランスで手がけている人が多いのも特徴です。フリーランスに依頼した場合、制作会社に頼むより低予算で作れるケースもあります。
モーショングラフィックスの種類はバリエーションに富んでおり、アニメーションロゴのように簡易的なものから長尺で複雑な動画まであります。そのため制作コストの幅も広く、いちがいに「相場はこのくらい」とは言えないのが実状です。
事前にどの程度のモーショングラフィックスにしたいのか、制作会社としっかり擦り合わせを行うようにしましょう。
3.モーショングラフィックスを活かす活用法とは?
上述の通り、モーショングラフィックスにも様々な表現方法があります。そのため、あらゆる映像や動画で、その技術を活用できるのが魅力です。
ビジネスシーンで使う場合は、製品やサービスの紹介動画や動画広告、プレゼンテーション、さらにはブランディング動画などで、幅広く活用されています。
ここではモーショングラフィックスの活用方法を、代表的なものから3つご紹介いたします。
商品・サービス紹介動画でのモーショングラフィックス
こちらはAmerican Expressの「Imagine What You Could Do – Travel & Lifestyle Services」の商品サービス動画です。アニメーションを駆使して、American Expressのクレジットカードを紹介している動画ですが、3Dと2Dを組み合わせ、実に表現豊かな仕上がりになっています。
この構成は最近活用が広がっているもので、思わず最後まで見入ってしまうような、没入感のある映像です。モーショングラフィックスを使用した商品・サービス紹介動画の、一つの好例だと言えるでしょう。
映画作品でのモーショングラフィックス
次にご紹介するのは、映画「Catch Me If You Can」の冒頭に出てくる短編映画です。これはフォントに変化を加えた「キネティックタイポグラフィ」の一種で、文字から伸びたシンプルな線が動画の構成に影響を与える、非常に巧みなアニメーションが使われています。
このように、映画作品のオープニングや予告編などでも、古くからモーショングラフィックスが使われている例があります。
教育コンテンツでのモーショングラフィックス
最後にご紹介するのは、Benesseが作っているオンライン教育アプリ「関数サプリ」のサンプル動画です。イラストやグラフィックだけでなく、途中で実写映像も交えた、変化に富んだ動画の仕上がりになっています。
データや数値を視覚的に表現する「インフォグラフィック」の手法を駆使し、難しい説明も直感的に理解できるよう工夫されています。内容がわかりやすいだけでなく、ユーザーを飽きさせない構成で、教育教材としても非常に好例だと言えるでしょう。
4.モーショングラフィックスの制作を依頼した場合の費用は?
このように魅力的なモーショングラフィックスですが、制作会社に依頼した場合、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか。
制作会社やモーショングラフィックスの規模によって、その費用には幅がありますが、おおよその金額は以下の通りです。
■モーショングラフィックスの料金相場
動画の尺 | 1分未満 | 1分以上 |
オリジナルイラストありの場合 | 30万〜 | 50万〜 |
既存素材を使用する場合 | 15万〜 | 30万〜 |
フリーランスに依頼する手もありますが、個人よりも制作会社のほうが専門知識やスキルが格段に充実している場合が多いので、より質の高いモーショングラフィックスを作るなら、専門の制作会社に依頼することをおススメします。
まとめ:「わかりやすい」のが魅力。様々なシーンで活用できるモーショングラフィックス
これまで見てきたように、モーショングラフィックスの特徴は、幅広い表現が可能な点にあると言えるでしょう。規模にもよりますが、他の手法に比べて制作費を抑えられる点も魅力です。
また、モーショングラフィックスの大きな特徴として、視聴者へ伝えられる情報量が格段に多い点が挙げられます。言い換えれば、ユーザーに伝えたい内容を、同じ尺の動画の中で、より効率的に届けられるということです。
「自社のサービスを訴求したい」
「商品やサービスについて、プレゼンでわかりやすく表現したい」
モーショングラフィックスは、こんな目的での運用にうってつけの動画です。ビジネスシーンでの活用を、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
バドインターナショナルでは、モーショングラフィックスを始めとするアニメーション動画の制作を承っています。当社にはプロのイラストレーターが在籍しているため、オリジナルイラストを使ったモーショングラフィックスも、リーズナブルな価格で制作することが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。