旅にまつわる課題の数々
2020年に全世界を襲った新型コロナウイルスによって、わたしたちは「密をさけて旅を楽しむ」という新しい旅のスタイルを求める傾向が強まりました。公共交通機関を避けて乗用車やレンタカー、観光タクシーを使用した個人手配型や、宿泊先でゆっくりと時間を過ごす滞在型など、旅の楽しみ方そのものが変化し始めています。
一方、新型コロナ以前から観光地において問題視されていたこととして、インバウンド拡大という追い風を伴ったオーバーツーリズムが挙げられます。近隣の駐車場不足、大型バスが乗り入れできない道路事情などといった地域のキャパシティに端を発する交通渋滞や違法駐車、さらに排気ガスや騒音、ごみ問題など、地域に暮らす人々の生活への影響といった深刻な環境問題が山積みでした。
そして団塊世代が後期高齢者と呼ばれる年代に突入した今、これからもいつまでも旅を楽しむための「旅行寿命」(健康寿命)の延伸のためのイノベーションが期待されています。